金融緩和の先行きが示唆されるかどうかが分岐点になる。

日本で株価が下落して投資家のリスク回避姿勢が強まり、円が買われやすくなっている面があるものの、ユーロの強さが盤石ではな いことを示す。
ユーロの先行きへの不安は、将来の相場予想をもとに取引する通貨オプション市場にも表れる。
ユーロを買う権利と売る権利の需要の偏りであるリスクリバーサルは期間６カ月の数値でマイナス１程度と、５月末のマイナス0.5前後から低下。
ドル高・ユーロ安に備える投資家の動きが強まっていることを示す。
さらにここにきてＥＣＢが緩和縮小に消極的だとの見方も出てきた。
三菱東京ＵＦＪ銀行の内田稔氏は先週以降、ドラギ総裁の物価見通しに対する慎重姿勢が目立つと指摘する。
実際、欧州の長期国債はじりじりと買われ、独国債や仏国債の長短金利差は縮小が続く。
債券市場は将来の長期金利の上昇リスクが小さいとみている様子が浮かぶ。
政治情勢も引き続き気が かりだ。
イタリアでは来春と目されていた総選挙が早ければ年内にも実施される可能性が浮上した。
選挙をきっかけに反欧州連合運動が改めて勢いづく懸念が出ており、ユーロ買いの足かせになっている面がある。
シカゴ・マーカンタイル取引所の通貨先物の取引状況によると、投機筋のユーロの買い越しが７万2869枚と約６年ぶりの高水準にある。
ユーロ売りのマグマがたまっている状況ともいえ、いったんユーロが下落に転じれば、大幅なユーロ安になりやすい可能性がある。
６日のようにユーロ安が対円でも進めば、ドル円相場の円高につながりかねない。
ユーロが反転するタイミングはいつか。
まずは８日のＥＣＢ理事会で金融緩和の先行きが示唆されるかどうかが分岐点になる。
そう言えば、気になることです。
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